概要

Jetson TX2の開発ボードは電源を入れる際、スイッチを長押ししないと電源がつきません。しかし、ロボットの中に組み込んだり、スイッチを直接押して起動することが難しい場合もあります。本記事では、そのような場合にスイッチを押さずに電源を入れる方法について解説します。

 電源を入れる方法

基本的にはこちらの記事を参考にすれば良いのですが、いくつか罠が隠されていました。

開発ボードのバージョンによってピン配置が異なる

最近の開発ボードにはJ6というピンがありません。上述の記事でJ6をショートさせるように書いてありますが、私の持っているJetson TX2にはJ6というピンがありませんでした。

ピン配置はこちらの資料を参考にしてください。

Jetson TX2ピン配置

この図を見てわかるように、以前のバージョンのB02/B04と、直近のバージョンのC02はピン配置が異なり、J6ピンがなくなっています。

では、C02のバージョンではどのようにすれば良いのでしょうか。

その際は、こちらの記事が参考になります。J20の2番目のピンをGNDに繋げて電源アダプタを繋げば起動するようになります。

J20をショート

このような形でJ20の2つ目のピンをGNDに繋げてショートさせます。この状態で電源に繋げると、LEDが光り、起動します。

J20のショートを解除しなければいけない

ここまでで、スイッチを押さずに起動することを確認できました。しかし、数秒間待っていると、電源が落ちてしまいます。

これは、「J20の2番ピンをショートさせている = スイッチボタンを押している状態」なので、スイッチを押して起動させる時と同様、数秒ショートさせた後に、ショートした状態を解除しなければいけないということになります。

そのため、別途スイッチを繋げて、ショート状態を切り替えるようにすることで無事起動させることができました。

一度スイッチを押して導通させてJ20ピンをショート→数秒後にスイッチを切り替えて導通を切る、というやり方です。(めんどくさい・・)

 

上記だと結局スイッチを使ってしまっているのですが、開発ボードのスイッチを使っているわけではないので、任意の位置にスイッチをつけることが可能になるのが良い点だと思います。

あとは、リレーモジュールを用いることで電気的に起動の制御ができるようになると思います。

参考

 

ロボットの回路を組んでいると、例えばロボットアーム用のサーボモータ と移動用のDCモータを同時に駆動しなければならない時があります。その際、電源を共有していると、一方の駆動での電流消費によってもう一方が影響を受けてしまうこともあります。また、そもそも駆動電圧が異なることも多く、電源を複数用意することが良い時もあります。 さらに、常に電源をONにしなくても良い状況の場合は、必要な時だけプログラム側からONにした方が待機電力を食わないので、電力消費を抑えられそうです。 リレーモジュールがおすすめ そのような時はリレー回路を組む必要がありますが、必要な一式が全て揃ったリレーモジュールなるものがあり、非常に便利でしたのでこれを用いることをお
Jetson tx2

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